8月16日 東京新聞「若者の声」

区内公立中学校に通う生徒からの投書
(東京新聞 8/16付「若者の声」)

中学校にテレビがきました。ブルーレイと地デジ対応の最新大型テレビです。すごいのはそれが六台も来たということです。「さすが港区太っ腹だな』と思いましたが、それも一瞬でした。「そんなに必要ないよね」となりました。もっと必要なものがあるからです。
生徒会室のパソコンです。今のは十年近くも前の物だからです。それで、生徒会便りや三年生を送る会のビデオなどを作らなければならないと言われても…。古くて使い物にならないので、部屋の隅に置かれている。先生に新しいのを買ってと頼みました。すると「学校にはお金がない」と言われました。何日かたち、学校に次なる新製品が入ってきました。「電子黒板」です。「お金がない」なんて…そんなわけあるはずないですよね。(以上 全文)

最初にこの投稿を読んで感じた事は相変わらずの行政の体質でした。毎年、各幼,小、中学校からは校舎の修繕、修理、様々な学習機材の購入に関する要望書が教育委員会に提出されます。しかしそれらの内容には子供たちの声も反映されているのか、さらに提出された内容について十分に検討されたのか。
今回は全額 国の補正予算によるものですから…。という学務課長の説明。税金を本当に必要とされるところに予算としてつける。生きがねにしなければなりません。その意味においてどのような経緯でこの予算が組まれ誰がその恩恵を受けるか。教育の現場だけでなく福祉、医療の現場も待ったなしです。税金の使い方も、学校現場や教育も知らない、いや知ろうともしない教育委員会の機能を再度,検証する必要があります。

そしてもうひとつ残念なのは学校長、教員(都費職員)が生徒に対してきちんと説明できないことです。
なぜブルーレイと地デジ対応の最新大型テレビが、そして電子黒板がきたのか、ここからは仮定ですが、パソコンをという君たちの要望はいま検討されている、だから何年度には導入予定です。あるいは購入が進みそうもないので最優先課題にしてくださいと学校長をとうして教育委員会にお願いしています。とか明確に答えるのが教師ではないでしょうか。「役所(学校)にはお金がない」は行政の常套句ですが。生徒との会話に使うのは意思伝達(信頼関係)の断絶ではないでしょうか。子供達にも意思、想像力、判断力があります。

しかし国の補助おおむね二分の一都四分の一区四分の一という補助(助成)事業はかなりあります。(すべてこの支出割合ということではありません)その必要な予算を国や都から調達するにも使途に対する自治体の裁量権(そっちより、こっちに使いたい)と合わせ明確な支出に対する妥当性を区民にきちんと説明するという区民に開かれた役所であってほしいと願っているのですが。
しかしいずれにしてもパソコンを買うお金もない港区ならとっくに財政破綻しているでしょう。
思ったことを普通の自分の言葉で普通に伝える簡単なようでこの国では時々勇気のようなものが必要ですが多くの人がきっと同じ思いをしているはずだと思えば前に進めます。きっと。